地味に働いた感想

もう今年も終わる。

4月から少しずつ働き始めて気づけば12月。まだ1年も経っていない。

基本的に8時間労働の枠組みで働いているが、週5日勤務は余程のことがなければしない。そもそも精神がぶっ壊れて社会的に機能しなくなったから働かなかった、という経緯もあり、まだ無理だと思っている。だから毎月シフト希望を出す時は恐縮しながら出している。たまに「この日も出てくれないか」と交渉されて、受ける時は受ける。お金がもらえるんだから、たまに無理するくらいは別にいいやと割り切る。ある程度融通の利く職場でよかった。「出られない?」という会話も、圧力というよりは交渉の感じで話してもらえるから、妙な自信もつく。私って一応人間扱いされるんだな、と。そう扱うのが一番効率がいいからやってくれてるんだと思う。

立場としてはバイトのようなものだが、ありがたいことに「社員にならないか」と誘われたことも何度かあった。見るからに労働環境がヤバそうなのと(上司を見ていると、ひどい時は私よりも早く来て、私よりも遅く帰る。休日なのに出てくることもあるみたい。仕事量が時折、ものすごいことになっているのも見ているし、怖い)、社会人としての自分のことが信じられないから丁重にお断りしつづけている。最近は何も言われないから、もう諦めてもらえたのかもしれない。

人間関係を深くやらなくて良さそうな仕事、ということで選んだ職種だったが、本当にその通りで、今のところは安穏と過ごしている。周りの人とは挨拶も軽い会話もできるようになった。自然と名前も覚えて覚えられて、普通に笑ったり、お菓子をもらったり、調子がいい時はお昼も一緒に食べたりする。何歳になっても人には個性があることがわかって面白い。ついでに、趣味が合って歳が近い人とは遊びに行くようになった。楽しいところしかもらってない。

働く人が皆落ち着いた大人なので、目の前で罵倒されたり聞こえる声で陰口言われて笑われたりしない。無理そうな人とは挨拶と業務上必要な会話だけ、にこやかにすれば十分。上の人たちは、私が何かをしてしまった時は冷静かつ簡潔に正してくれる(そうするのが一番目的に沿うから)。一番困惑するのは褒められたときで、お仕事として褒めるところを探してわざわざ伝えてくれてるんだなあと思う。効率の良いやり方がそれなんだろう。面白いのは、自分が褒められると全く関係ない他人の良いところが見えてくること。良いところ見つけて真似しようって思う。教育ってこういうことなのか。すごいなあ。

出勤したくなくて泣きたくなるような日もたくさんあるが、なんだかんだ遅刻も欠勤も一度もない。自分で言うのもなんだが妙なところで生真面目なのだ。真面目に取り組むべきなのは感情のコントロールのはずだが……。

ただでさえ田舎特有の低賃金のところに、自ら勤務日数を一般的な日数より少なめにしているから、貰えるお給料は正直……なのだが、お金を使うことに罪悪感がなくなった。お金を貯めようと思って始めたはずが、ほとんど貯蓄には回せないままで時間が経ってしまった。けれど、何もしなければこのお金は出てこなかったんだし、このお金でやったことが何もできなかったんだろうから、結果的にはプラスだなと思う(※俗に言う「実質無料」と似た感じ)。赤字は出ていない。ただ、実家に強制送還されてからずっとここで暮らしているので、親の脛をかじっているのは事実だ。ケータイ料金や娯楽費、出勤する日の食費くらいは自分で払っているが、それ以外は脛。脛をかじるのは悪いことじゃないと思うが、多少気後れする。親との関係は比較的良好だが、こういう時期は家に居たくないと思うこともあるし、とっとと家を出なければ。二度と帰らない前提になってしまうけど。

「週5にしたい!」とか「目指せ社会復帰!」とか「社員になりたい!」とかは全く考えていない。それでも今のところはなんだかんだ続けられている。今のところは。

またいつ自分がダメになるか、自分が何をやらかしてしまうのか全く読めなくて怖い。だから、ここでこの先何年も……というふうには考えられない。ここで腹を決めなきゃ大人にはなれないんだろうけど、こないだまでめちゃくちゃ死にたがってた私にはまだ無理。でも、他にやることもないし、とりあえず出勤して求められたことだけやって、時間になったらさっさと帰る。それが三日ぐらい続くのも大丈夫になってきた(最初の頃は三連勤ってだけで大変な重労働で、死ぬんじゃないかと思っていた)。続けてもいいかなと思う要因の中で一番大きいのはお金が貰えること。お金が貰えるだけですごい。私の時間が金になるなんて社会の頭はおかしいんじゃないか。

いろいろ書いたけど結局私は、たまたま近くにちょうどいい労働環境があって、慣れるくらい続けられた、運の良い人間であるだけ。まだ8ヶ月しかやってないのに「続けられた」ってのも変な話だけど。だから8ヶ月働いた感想としては、「やっぱり私は運がいい」。それだけ。