好きな執念

私の好きなタイプの執念というのがあって、それは言ってしまえば私にとって無害かつ面白い執念というだけの話なんだけど、これがまた難しいんだ。

なんて言えばいいんだろう。突き詰めれば「自分との戦いに勝った人」なんだけど、それだけじゃちょっと足りないか。

全部終わった後で「あっ、すごい。この人はただ今回の戦いに勝っただけじゃなくて、自分との戦いに勝ったんだ……」って思うような。全然内容が増えてないな。

なんて言えばいいのか。

例えば電車に乗るとき、320円の区間だから320円の切符を買えばいいのに、何らかの事情でキリ番に執着があるから500円の切符しか買わない、そういう感じ。コンビニのレシートも全部端数無しで銀行の口座も端数無し、みたいな、そういう謎の戦いを己に課して勝ってる人を見るのってめちゃくちゃ楽しい。もっと言うと、何らかの形で目に見える結果が出てて、その点でも他者を圧倒しているのを見た時なんかは、頭の中に変な物質が大量に流れ出たような気分になる。

こんな風に思うのは、私がオタク気質だからかもしれない。ついでに言うと私も執念深いからかもしれない。執念も良し悪しなんだけども、良い執念となんてものがもしあるとしたら(無いだろうな)、それはただ単に「私が好きな執念」っていうだけのこと。そして私は淡々と私の好きな執念を全うできる人間でありたい。

私は今、小規模なんだか大規模なんだかよくわからんけど、誰かから見れば確実に無駄な戦いの準備をしている。でも、これをやらないで後悔したくない。小さいことなんだけど、小さいことの積み重ねで後悔って大きくなるんだ。傷になるんだなあ。後悔ぐらいどうでもよくなればいいんだけどな。ちょっと今はまだだな。執念がまだあるから。