省電力モード

電車に乗った。座席を求めて車内を見渡すと、6人座れそうなところに3人しか座っていない区画があった。あれ、空いてるじゃんと思って、そこに座った。ずいぶん酸っぱいにおいが充満しているところだった。私より先にそこに座っていた人たちは、ただ疲れているだけにしか見えなかった。ほとんどの人たちがここをわざわざ避けた。そういう人たちの近くに座ってはいけない特別な事情があるのかしら。そういう暗黙の了解みたいなのがあるのかな。知らなかった。どいつもこいつも鼻なんてつけてるだけ無駄じゃない?まあいいや、座れたからラッキーなのである。

初対面の人にもわかるほど私の身体、それから魂は貧弱らしい。そういう風に見せるのが板についている、と。わかんないふりしておくほうがそれらしいかしら。幾度となくこういうことを繰り返してようやく、私は他人の鏡なんだなあと思い至る。板についているみたいなので、そういう感じでいこう。