自販機

なにかあったら、花屋で花を買って(一般的に、花はスーパーの野菜売り場の近くとホームセンターに売っているものだけど、やっぱりわざわざ花屋がいい)、花びらをちぎって両耳にギチギチに詰めてその辺に倒れよう。花は植物だから気持ち悪い。けれど、仕方ない。

ただ、わたしは耳が小さいから、全部入りきるかな。大きい花を買ってもあんまり意味ないのかな。そこらへんでオオイヌノフグリとか摘んできたほうがいいのかな。

 

App Storeが左肩に赤い丸をつけていたので、ちゃんと開いてあげた。ふたつのアプリにアップデートが来ていた。ひとつだろうがふたつだろうが、ななつだろうがなんだろうが、めんどくさいからいつも「すべてをアップデート」を押す。

すべてをアップデートってなんかカッコよくない?すべてをアップデート!すべてをアップデート!!ヒュー!イノベーションがなんたらかんたらでIT革命は死語だね!

そんなこんなで、わたしはいつの間にか「なーーにが『すべてをアップデート』だこのヤロー!このヤロ!このヤロー!!」と叫びながら自販機を蹴っていた。もちろん頭の中で。そもそもここは家の中だし。

自販機を物理的に蹴ったことはない。自販機に罪は無いからだ。しかし、あの金属の板と空洞と液体が織りなす物体は、蹴りを入れたら絶対にいい音がすると思う。

自分の家に自販機を買って定期的に蹴ればいいんだろうか。きっと、自前の自販機を買っても三日で飽きて、一ヶ月後に思い出したように蹴って、それから毎日また蹴り始めるんだけど、そのうち存在を忘れるだろう。磁石でポスターや何らかの張り紙を貼って、自販機を冷蔵庫のドアみたいにしてしまうだろう。私ならそうなると思う。

それだけのために自販機を買うかい?私が金持ちなら買っただろうな。コカコーラに電話して。

 

左右反転の鏡を頭の中に作り出せない、だから自分の顔もわからない。そういう想像力の無さのせいでストレス発散もまともにできないね。欲しかったね。そういうの。