『星月夜』の街

年末、大晦日。

テレビで見たヨーロッパの街並み。ゴッホの『星月夜』みたいな色合い。でもそこは日本だった。

町中がお祭りムードの中、友人たちと闊歩している。いろんな人種の人がたくさんいる。とにかく外国人がたくさんいる。日本人は、私たちと祭りのスタッフしか見かけなかった。言葉が通じないなりに、カタコトでコミュニケーションをとってなんとかやっている。楽しい。

狭い路地を歩いていくと、十メートル幅の石の階段がある。その前に、アジア系のおじさんが大きな屋台を構えている。焼きサザエが並んでいる。サザエにしては大きいので違う貝かもしれない。

食べようかなあと思っていたら、隣にいた友人が何も言わずに手に取って食べ始める。

お金、払ってないけど大丈夫なの!? などと驚いているのは私だけで、店主も何も言わない。どうやら友人と店主は知り合いのようだった。びっくりするから先に言ってよ。

私も食べようかなと思って手を伸ばしかけたが、熱そうだし食べづらそうだし、やっぱり会計まわりのことが気になるからやめた。食い逃げはしたくない。

また少し歩くと、広場の端っこに出た。

新年のカウントダウンがもうすぐ始まるらしい。たくさんの人が酒を手に持って騒いでいる。広場に設置された大きなスピーカーからは軽快なアナウンスが響く。わあ〜、とか言いながら立ち尽くしていたら、近くにいた祭りの運営スタッフにサイリウムを渡される。

直後、スタッフの掛け声に合わせて、一本のサイリウムを両手で握った人々が剣道の素振りみたいな動きをしながら「ソンシャ! 圧倒的ソンシャ!」と叫び始める(感謝! 圧倒的感謝! みたいなノリで)(ソンシャって何?)。

困惑したけれど、外国人がみんな楽しそうにやっているし、友人たちも乗り気だし、私もなんとなく楽しくなってきたから、とりあえずサイリウムは折っておいた。

 

という夢を見た。

楽しかった。おかげで目覚めが良くて、朝から元気だった。

ソンシャの意味は全然わからないけれど、夢の中では漢字二文字の言葉だと直感した。

とにかくいろんな人種の人がいた。みんなスタイルが良かったから、雑誌の読みすぎによるものだと思う。

すれ違う人みんな楽しそうだった。私も楽しかった。

街並みが本当に綺麗だった。石畳の街並み。ゴッホの絵みたいな色彩。灰色を混ぜたような青、ところどころに電球の明かり。街全体がパーティみたい。世界に平和が戻ったあとの盛大で穏やかなお祝い。

夢が楽しくてよかった。