カイタイテキ

ふと、「建設的」の対義語が気になった。そういえば調べたことも考えたこともなかった。せっかくだから、調べる前にちょっと考えることにした。

ほどなくして「解体的」という言葉に行き当たった。

聞いたこともない言葉だったが、

「『建設』の反対だから絶対に『解体』でしょ! だって、ビルは建設したあと必ず解体するんだもの」

と、かなり自信満々だった。

それ以上に、「建設的」の対義語としての「解体的」というイメージ自体がすっかり気に入ってしまった。「解体的」という言葉の響きが、「建設的」という言葉の持つ気持ち悪いポジティブエネルギーを内側から剥がしていく。

解体的、カイタイテキ。角が多いけれど、無機質ではない。むしろ柔らかく、妙に湿度が高い。何かに触れるとジェル状になってしまう。ジェル状のカイタイテキが建設的なものに水分をふくませて、ふやかして、全部溶かす。とろとろにしてどこかへ消してしまう。跡形もなくバラバラにしてしまう。解体的だ。

大きな建造物の内側が、すっかり溶けて抜け落ちてしまうのを想像した。一番外側の塗装や骨組みだけを残して形成された大きな空洞。超高層ビルの一階の入り口をくぐると、高さ二百メートル超のなめらかな空虚が……。建設的な建設物に対するカイタイテキの解体的な仕事。た、たまらん、たまりません。久々にいい妄想してる。

解体的、めっちゃいい。いいぞ、全部解体してしまえ。もっとも効果的に、無駄なく積み重ねられた木材を、こっそり一本ずつ抜いていって、無駄にしてしまうんだ。一生建設してろ、私はジェンガをやる。

 

 

ここで妄想を切り上げて、改めて「建設的 対義語」で検索したら全然違った。

「破壊的」だった。

建設の逆って破壊なんだ。破壊の逆って建設だったんだ。つ、つ、つ、つまんねえ〜〜〜。

ついでに「解体的」でも検索してみたけど、全く存在しない言葉ではなかったみたい。う〜ん。

言葉の意味を調べるなんて建設的なことしなきゃよかった。興ざめ、はい、解体解体。今日はもう解体です。

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