布団乾燥機

寝具がコインランドリーの乾燥機から出した直後みたいな熱を持っていて、非常に危険だ。冗談抜きに危険だ。私が目を離した隙に誰かが布団乾燥機を仕込んだに違いない。犯人は一体どこから侵入したんだ。窓か。窓なのか。暑いから窓を開けていたのがいけなかったのか。しかし窓を開けなければ風も入ってこない……いや待て、今も窓は開いているはずだが、風は入ってこない。私は窓を開けていないのだろうか。またいつもの物忘れを発揮したのかと思って窓を確認した。窓は開いていた。ああ、油断した。確実に外から布団乾燥機が侵入している。その上、風を止めている。何者かが私の部屋に侵入し、布団乾燥機を仕込んでマットレスや枕を死ぬほど温めて、なおかつ湿気は残しながら部屋の空気までも温めた。しかも風を止めた。もうだめだこんな世界生きられない、怖い。なんらかの理由があって(ないかもしれない)、私を温めて殺そうとしている何者かがいる。暑い上におそろしくてここにいられない。

って思う程度には暑い。風が吹いていない。ノートPCのファンから吹いてくる風がこの部屋で一番冷たい。本当に、ただただ座っているだけなのに顔に汗をかいている。私は一体なんのためにお風呂に入ったんですか?私は、一体、なんのために、お風呂に、入ったんですか!

気温が高まるとナマモノは腐る。私はナマモノだ。たんぱく質は熱すると固まる。私はたんぱく質だ。もうだめじゃない?なんでこんなことになるの?ところで「地球温暖化」って最近めっきり聞かなくなったね。観測範囲の問題?死語になった?暑いのが普通すぎて地球の気温が上がることなんてどうでもよくなっちゃった?私は最初から全部どうでもいい。

 

二年前のちょうど今頃、夏の始まり、死ぬほど暑い夏の始まりに買った本が発掘された。正確には、ずっと視界に入っていたけれど無視していたものを、今日ようやく意識した。

この本を買った時のことはよく覚えている。あの電車に乗って、あそこの駅を出て、ちょっと行ったところのビルの本屋。文庫本のコーナー。この本を手に取ったあと、雑誌や、よくわからん専門書を物色して、結局これだけ買って帰った。当時のことはこんなに覚えているのに買った理由はよく覚えていない。わざわざ買ったのに、読まずにいた明確な理由もわからない。あの頃は一番具合が悪かったので記憶が飛び飛びなのも仕方ないか。

それが今日、急に読みたくなったので、読んだ。ちょうど今欲しかった感触のものだった。結果オーライ。

 

ところで、暑いの大丈夫ですか。私は大丈夫じゃないです。気温が高まると否応無しに機嫌が悪くなるのでめちゃくちゃイライラしています。みんな、せーので夏やめない?