七夕

七夕。織姫と彦星の話ってどんな感じだったかなと思って検索した。

仕事ばっかりしてる娘(織姫)が心配で、男をあてがったら、二人がいい感じになっちゃって娘が仕事しなくなったので、怒って、二人を引き離した。あんまり会えないのも可哀想なので一年に一日だけ会うのを許可した。という父親の話だった。

こんな話だったんだ……。

現代人なので、こういう親いるよね〜みたいな捉え方をしてしまった。織姫も彦星も、ただただ気の毒だ。七夕の夜が晴れることを願う人たちの気持ちがなんとなくわかった。

仕事してる娘が好きなんだったら最初から男に会わせるなよ〜。娘が仕事をしなくなって初めて気づいたのかもしれないけど……。世界を思いのままにしたい気持ちが強すぎるだろ〜、織姫だって所詮あんたの娘だよ。私が織姫だったら無気力になってしまうよ〜。

 

だいぶ昔、初めて付き合った人から「俺がいなくても楽しそうだから別れよう」と言われたことがある。当時はどうしてそういう話になるのかわからなくて、頭が混乱して泣いてしまった。

冷静になってから改めて真意を問うた。曰く、「自分がいなくても楽しそうなあなたを見ていたら、自分はあなたには必要ないんじゃないかと思った」と。ちょっとよくわからなかった。

相手があまりにも悲しそうに言うものだから、一瞬、私は何か悪いことをしたんだろうかと考えた。しかし、何度考えてみても、悪いことはしていない。それまでの人生、この人がいなくても楽しいことはいくらでもあった。だったら最初からお互いに必要じゃなかったのでは。

その後、最初に言われた通りに別れてもらった。ただ単に、相手のことがそこまで好きじゃなかったと気づいたからだ。私が悪いことをしたとすれば、好きでもないのに付き合ってしまったことだった。それ以来、好きでもない人と付き合うのはやめようと固く誓った。

 

今思えば、あの言葉は織姫の親父さんと似たような心境から発せられたんだろうか。相手が思い通りにならないから、自分は怒ったり悲しんだりしてみせて、どうして欲しいかは直接説明せず、間接的に相手に態度を変えるように仕向ける。多くの人間が普通にやるアレ。忖度させるやつ。

ああ、織姫の親父さん、本当はどうしたかったんだろう。「会いに行ってもいいから仕事は、仕事だけは、せめてこれくらいやってくれ」ってちゃんと言ったのかな。言っても聞くような状態じゃなかったのかな。

ねえ織姫、今夜もし川を渡れたなら、帰らなくてもいいんだよ。いや、わかるよ、簡単なことじゃないっていうのは。だって一回めっちゃひどい怒られ方したもんね、あんなのほぼ脅しだもんね。父親が激ヤバパワー持ってるから、帰らなかったらどうなっちゃうかわからなくて怖いよね……。ああ、彦星さんも本当にお疲れ様です。

人間ってほんっとうに面倒くさいですね(いつも通りのシメ)!