騙し騙し、夜

夜は楽しいのに眠くなってしまう。眠るのは楽しいのに起きてしまう。起きると朝や昼になってしまう。

朝と昼の楽しみ方がわからない。

日が出ている時間帯は、半分くらいの商売やシステムが稼働している時間帯で、例えば公共交通機関が動いているし、大体の本屋や服屋や薬屋、銀行や郵便局や病院、スーパー、そういうものが使える。

それらの恩恵は受けているつもりだし、やっぱり朝と昼は必要なんだろう。ただ何が楽しいのかよくわからないままでここまで来てしまった。だからって夜をめちゃくちゃ使いこなしているわけでもないのだけど、私の好きなことは大体夜に集まる。睡眠、音楽、お風呂、その他諸々、たまにお酒。夜のファミレス、夜のコンビニ、夜の街、夜のラジオ。夜行バス、繁華街の客引き。

とにかくなんでもかんでも夜になってほしい。昼はなんでもかんでも多すぎるしなんでもかんでも強すぎる。

 

だんだんわかってきた。昼って生活をする時間帯なんだ。夜は生活しない時間帯。好きなことをする時間帯。

なんだか人生が半分に減ったような気分だ。一日を丸々生活以外のことに使うのって本当に楽しくて贅沢なんだね。生活って人生の税金みたいなもんだろうか。時間って働いても増えないのに。

 

ここまでくると「夜」なんてのはプレミアムフライデーにおける「プレミアム」とほとんど意味が変わらない気がしてきた。いつもとちょっと違うことして嬉しいだけだ。

この感じでいくと、例えば昼はエビスで夜はプレミアムエビス。昼はロキソニンSで夜はロキソニンSプレミアム。……プレミアムがついてるやつのほうがいいような気がする。「気がする」っていうのが一番大事か。気分次第か。

わかったわかった。死ぬまで「いいような気がする」で騙し騙しやっていくわ。

夜が毎日あって本当によかった。人生の半分もあれば十分すぎる。毎日騙してやっていこう。どうせ全部幻だからそれでいい。などと書いている夜、やっぱりアホくさくて楽しいな。