黒は派手すぎた

私の肌には、黒は派手すぎたみたい。

ブラウンのアイラインを引いた自分の顔を見てそう思った。

 

目がキリッとして見えそうだから、カッコイイから、そしてなにより「ブラウンでナチュラルに可愛くなんて軟弱なことやってられるか!!」という理由で今まで頑なに黒のアイライナーを使っていた。この、髪が伸びる人形みたいな顔、そして目元をどうにか誤魔化して逆にカッコイイ感じにするには、黒のラインをシュッと引いたほうが良かろうとさえ思っていた。

しかし、ここへ来てブラウンの馴染みが良すぎる。全然ナチュラルなメイクはしてないのに、飛び出してくるような違和感がない。目元もちゃんと締まってる、色が浮いてない。

どうしよう、戻れない。

 

常々思っていたけれど、私、黒が似合わない。好きなのに、自分でも可哀想になるほど似合わない。就活のスーツって真っ黒なのによく頑張ってたな。

黒い服、好きなのに似合わない。襟を白くしたり、白い上着を重ねたり、首元にアクセサリーを挟んだらマシになるけど、全身ブラックは無理だなあ。肌の色がいつもより黄色く暗く見えてしまうんだ。凹む。

髪の毛を真っ黒に染めてみた時、最初は嬉しかったけど時間が経つにつれて違和感が出てきた。ふと窓ガラスに映った自分の姿を見て、あまりの異様さにギョッとしたことが何度もあった。

真っ黒のマニキュアを塗った時、本当に爪だけ浮いて見えた。「無理して塗ってる」感がどうしても拭えなかった。それ以来、なんとなく塗るのをやめた。

アイラインすらも結局黒よりはブラウンのほうがよく馴染んでしまった。

 

もともと、地毛が真っ黒で顔立ちがハッキリ、というタイプではない。その時点で黒は無理って気付くべきだった。

ああ、カッコいい服着られない、カッコいいメイク、できない……。そういえばゴシックとかパンクとかの黒くてバリバリの服、着てみても死ぬほど似合わなかったもんなあ。フリルとレースとスカートの膨らみ、白いブラウスにアクセサリーでバランス取らなきゃ黒は着られなかった。

 

自分に似合う色でどうにかやりくりすればいいんだろうか。自分では、似合うのはネイビー、あとはオフホワイト(パキッとした白はキツい)だと思ってるけど、あとはもう、どうしようね……。

ていうかネイビーにオフホワイトの服って、ゴリゴリの可愛い系、コンサバ系だと思うんだけど私コンサバになるんけ???無理じゃね???そもそもネイビーとオフホワイトって誰にでも合う超超超超便利色なのでは????????

こればっかりは自分で考えても仕方ない。似合う色、改めて友達に聞いてみよう。ダメな色も聞かなくちゃ。これで「パステルピンク似合う」「茶色も黒も浮いててダメ、まずアイラインをやめろ」とか言われたら私、泣く。いろんな気持ちで泣く。この世界に救いなんてない。

 

似合う服より着たい服、似合う色より好きな色、と常々思っていたがもう潮時か。なんせ自分に似合うものがあることが少しだけ嬉しくなってしまったのだ。

でも好きな服着たいよお〜!!!黒似合いたいよ!!!ああ、好きな色が肌に馴染む人になりたかった……。白塗りすればイケる?

「好き」と自分の身体が意図せずどんどんすれ違っていく悲しみ、すごい。とにかく私には派手すぎたんだ。