人事を尽くすということ

何が何でも眠りたい時、必要なのは強い気持ちなんかじゃなくて、眠る前に最低限やっておきたいことを済ませて(それは眠るための儀式でもあるし、気になって眠れないことを防ぐことでもある)、音と光が知覚されないこと、温度がちょうどいいこと、その場の中で一番いい寝床に入ること、だと思う。欲を言えば、そこに眠剤があれば、私ができる努力としては100点満点だ。強い気持ちはこのラインナップに入らない。

強い気持ちがあればこそ、気持ちだけで眠れるなんて思えない。もちろん、手を尽くしても眠れない時は眠れないけれど、そうなってしまったらもう諦める。これで眠れなかったら仕方がないと気持ちよく諦めることができる。

「人事を尽くして天命を待つ」というのはそういうことだと思う。

例えば明日の準備、それは荷物や着ていく服を確認しておくことだけれど、これをしないと気持ち悪くて眠れないなら、それは心置きなく済ませておくべきだ。また、歯磨きやトイレも済ませておかないと気になって眠れないなら済ませておくべきだ。起きられる自信がなくて不安なら、部屋中のアラームをフルボリュームで設定しておけばいいし、もちろん誰かの手を借りたっていい。

すべては何が何でも眠りたいという強い気持ちゆえ。強い気持ちあればこそ。

例えば私は日記を書くのが日課だから、これを書かないで眠るということはちょっとだけ心に引っかかってしまう。やっぱり書こうかな、なんて起き上がってPCを立ち上げたりスマホを眺め始めたら終わりだ。結果的に眠れなくなってしまう。

だから、今は「何が何でも眠りたい」という気持ちを原動力にこれを書いている。

そして、起きてからの段取りを全て脳内でシミュレーションする。あれやって、これやって、それやって、これ持って、あれ着て、これ買って、あれ乗って……。これをやっておかないと安心して眠れないのである。だから、もうやった。

すべては何が何でも眠りたい、という強い気持ちがあればこそ。

 

そして、さらにもう一つ気持ちがある。「何が何でもX時に起きたい」である。

それを達成するために、とりあえずアラームを5分刻みで、起きたい時間に合わせて設定しておく。アラームの曲は、気分よくスッキリと起きられそうなものではなく、「この音を今すぐ止めないとうるさくてうるさくて仕方ない」というもの。本当は電話のベルの音が一番起きやすいのだが、心臓に悪すぎるし、うるさすぎて朝から嫌になるから、候補からは外している。また、家族にも「X時までに私が起きてこなかったら起こして」と頼んである。たぶんこれで完全にX時に起きられる。

さらにここでもう一つ。スッキリと目覚めるには深い眠りが必要だ。深く眠るために、服と毛布で体温を調節する。駄目押しのベンゾジアゼピン(頓服・用法容量遵守)。

ここまでやってもだめだったら……もう……おとなしく遅刻するぜ!

と、いうわけで日記も書いた。人事は尽くした! おやすみなさい!