日常の特殊技能

 スーパーのレジに並んでいる時、レジ打ちの店員さんの手つきをそれとなく見つめてしまう。

 一品一品、バーコードを読み込ませてはカゴに詰めて、読み込ませては詰めて、食べ物が潰れないように場所を入れ替えたり整えたりしながらまた読み込ませて、詰めて、読み込ませて詰めて、整えて……。弁当を買う人には箸が何膳必要か訊いて、別途ビニール袋が必要なものには手早く用意して商品を入れて。

 何度見ても信じられない。おそるべき特殊技能だ。

 私は「てきぱき」「きびきび」みたいなことが世界一苦手で(言葉の意味を身体で理解したことがない)、あらゆるものの手際が相当悪い。だから、素早さとプレッシャーと正確さ、ある程度の接客のクオリティを一気に背負いながらあんなことをしたら、必ず商品を破壊するだろう。

 スーパーのレジ打ちの人は本当に異能を持っている。異能バトルを毎分毎秒やっている。すごい。

 

 ああいう日常に潜む特殊技能を見るのが好きだ。誰もが何気なくやっている(ように見える)ことが一番おかしくて面白い。

 レジ打ちなんて、もっと「よっこいしょ!」って感じでやっていてもおかしくない。わかりやすくヒィヒィ言いながら、すごく辛そうな顔でやっている人がもっとたくさんいても不思議じゃない。ああいうのは「慣れ」なのかもしれないけれど、慣れるまで続けられる時点で、その分野に多少なりとも向いている人であることは間違いない。本当に全くできないことって続けられないものだから。

 

 私にも何か特殊技能あるかな? って少し考えてみたけれど、自分じゃ全くわからないものだ。うーんなんだろうなあ。

 我が家の猫を6割ぐらいの確率で寝床に誘導できるのは、わりと特殊技能な気がする。あとはなんだろう。どこに行っても必ず部屋を散らかすことができる。……これって技能じゃなくない?

 じゃあ、「長距離バスと都会の風呂・ネカフェに局地的に詳しい」とかはどうだろう。これは、遠征しまくる趣味がある人はみんな持っている特殊技能だと思う。

 そういえば、夜行バス発車前に立ち寄った銭湯で、同じライブに行った友人(かなり遠くに住んでいる)と出くわしたことがある。脱衣所にいたから、双方全裸である。

 友人は「いつもここ使ってる。やっぱりライブのあとは、バスに乗る前に一風呂浴びたくて……」と言っていた。完全に同意した。その後、バスに乗るために友人は消えていった。あの全裸の邂逅は、わたしたちの特殊技能のなせるわざだったのか。

 

 自分でも何言ってるかわからなくなってきたぞ。慣れないこと考えて混乱してきた。

 やっぱり自分の特殊技能はよくわからない。自分の技術が特殊かどうかを自分でわかる人っているんだろうか。さすがにいるか。日常の特殊技能は面白いなあ。

 

どうでもいい追記

寝る前に絵を描きたくなった。この夏はこんな人が見たいのでこんな人いたら私の視界に入ってください。何卒よろしくお願い致します。

f:id:oqo_me_shi:20170428004746j:image