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催眠術

 今日は催眠術にかかってきました。

 私は思い込みの激しい人間なので、催眠術がカチッと嵌ると、とことんかかりっぱなしになることがあります。時には己を破滅に追いやることもあります。

 ですが、思い込みが激しいゆえに、サッパリきかないこともあります。

 今日は効かないパターンでした。

 術を受けている途中でどうしても、頭の片隅に好きな歌やどうでもいいこと、面白かったこと、今こいつ殴ったらどうなるのかなという疑問などが思い浮かんで、微笑んでしまいました。非常にピュアな雑念です。

 うんうんって聞きながら、はいはいと言いながら、たまに笑ったのはサービスのためでも愛想笑いでもなんでもなく、思い出し笑いです。或いは妄想笑い。それが全てです。

 今後もこういう感じでいけたら良いですね。人の話なんてまともに聞かないのが一番良いです。

 

 今日は虫が口に入ることもなく、思いのほかスムーズでした。デジャヴュではない本物のノスタルジーが鼻から脳に飛び込んできました。本物だと言い切れるのは、私の思い込みが激しいからです。

 脳はこうやってしょっちゅうバグを起こしますが、正常です。正常としか言いようがありません。思い込みが激しいので。

 

 いろいろなことを気にしないための塗装を、一年に一ミリ単位で塗り重ねてきましたが、だんだん機能するようになってきました。面の皮が厚くなったのかもしれません。皮が厚くなろうが塗装が厚くなろうが同じことですが、皮は剥がすと痛いものですし、血が出ます。塗装は擦れば落ちます。

 いざという時、都合よく塗装を落とせるようにしておきたいと強く願っています。願っても叶いませんから、やらなければ。

 しかし私はとても軽薄なので、明日にはこんなこと忘れていると思います。催眠術みたいなものです。それでも、そのうちまた似たようなことを考えると思います。催眠術みたいなものです。

 頭が毎日あちこち行ったり来たりするのは面白いですよ。振れ幅が激しくて疲れますけど、幅がだんだんわかってきました。落ちている時は本当に死にたくて仕方が無いという状態になりますが、時間の経過や娯楽によってあっさりと回復してしまうことが最近わかりました。あとは、めちゃくちゃ上がる時をめちゃくちゃ楽しむだけでよいのです。

 こうして、底が見えているという錯覚によって精神を保っています。死ぬまでこのまま錯覚していればいいんじゃないでしょうか。催眠術みたいなものですよ。誰でもこうして、多かれ少なかれ己に催眠術をかけて暮らしているのではないかしら。みんなの催眠術聞かせてほしいな。

 ハイッ、私はだんだん眠くなる〜、私はだんだん眠くなる〜。あれ、眠くなっちゃった〜。おやすみなさい。