口に虫が入ってきたので春は終了です。

 口に虫が入ってきたので春は終了です。最悪です。しばらく吐き気が止まりませんでした。水を飲むのも気持ち悪くて仕方がありません。

 なぜ虫は口に入ってくるのでしょう。私が口を開けていたのも悪かったんでしょうけど、わざわざこのブラックホールに飛び込んでくる理由がわかりません。虫、死にたかったんですか。虫、メンタルがピンチだったなら、虫の病院に行きなさい。私の体を快速電車やクレモナロープや硫化水素や高層ビルの屋上として使うのをやめなさい。虫、私の体で自殺するのをやめなさい。いっそ私の体でなければ、誰の体を使ってもよいのですから、私の体を使うのをやめなさい。二度と寄り付かないこと。生き急ぐ虫に何を言っても仕方がありませんけれど、私は言いましたからね、虫。今日よかったことは虫一匹の死亡を確認したことでした。

 虫が無理なので冬以外の季節が無理です。北極への移住を検討します。たぶんしないだろうとは思いますが、検討する程度には無理だということです。

 春さえ来なければ冬は終わりませんから、春が来るのをやめさせればよいのではありませんか。わかりました。春。来るのをやめなさい。今すぐ引き返して、二度と出てくるのではありません。春、なんなら死になさい。君はもう来なくてよろしい。今すぐ春をやめなさい。春をやめなさい、そして梅雨や夏ではなく秋を連れてきなさい。秋は冬を連れてきますから、あとはずっと冬だけを繰り返せばよろしい。春は今すぐやめなさい、どこか遠いところへ帰って、死ぬまで猛省なさい。何が悪かったのかわかるまで穴から出てこないように、春、わかりますか。とにかく今すぐ全てをやめなさい。

 自然現象にブチブチにブチ切れており、自然現象としての己を感じます。そもそも己が人間でなければ、即ち自然現象でなければ、このような悍ましいことが起きずに済んだのです。だから己、今すぐやめなさい。己をやめなさい。春、道を行くだけで虫を自殺させる己、今すぐ己をやめなさい。己をやめなさい。己をやめなさい。自然と共存できないのなら自然をやめなさい。つまり、人間をやめなさい。今すぐですよ。

 わかりました。己は、人間を今すぐやめて、塩になります。

 否、待ちなさい、塩で虫が殺せるようです。塩は虫という自然と共存できない。塩をやめなさい。

 わかりました。己は、塩をやめて、鉄になります。

 否、待ちなさい。鉄は虫を殺せるようです。鉄は虫という自然と共存できない。鉄をやめなさい。

 わかりました。己は、鉄をやめて、氷になります。

 否、待ちなさい。氷は虫を殺せるようです。氷は虫という自然と共存できない。氷をやめなさい。

 わかりました。己は、氷をやめて、地球外生物・プンピロパプパーになります。

 ならばよし。