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畏怖すべきものを見たときの私

 数時間前にすごいものを見てしまいました。「すごい」とかじゃないな、すごいよりも上の言葉あるかな。まあとにかく大変なものでした。

 大変なものを見ると私はこうなってしまうんだ、と自分でも引くような状態になったので、記録として日記につけておきます。

 

 フィギュアスケートの、世界選手権2017を見ていました。

 事件は最終グループ1番滑走の演技が終わった瞬間に起きました。
 以下、最終グループ1番滑走・羽生結弦選手の演技が終わってからの私の状態です。

 

 手元にあったクッションを二つ、反射的に抱き寄せて口元に当て、目はガン開きで、

あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!! ッヒ……ッヒ……(呼吸)あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! あーーーーーーーーーーーーーーーーー!あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!! ッヒッ(呼吸) ああ!!! あああ!!! あ! あああああああああーーーーーーーーーーーーーーーー!!!! ッヒッヒッ(呼吸)あああああああああああーーーーーーーーーー!!!!! (隣に正座した母の膝にすがりながら)ああああああああああああああああああああああ!!ああ!ああああああああああ!!! ッヒッ(呼吸)あああああ!! あああ!! ッヒッヒッ(呼吸)ああ! ああああああああああああああああああ! あああ! あーーーーーーーーーーーーーー!!! ッヒッ(呼吸) あーーーー! あーーーーーーー! あーーーーーーーーーー! ッヒッ(呼吸) あああああああああああああああ! あーーーーーーーー!!!!!!! (猫が心配して見に来たので)あっ……あっ、XX(猫の名前)ちゃんごめんね、びっくりしたね、大丈夫だよ、ごめんね……ああ、ああ、あああー……」

 以上です。

 

 演技終了から得点待ちまでの数分間、というか猫が心配して見に来るまでの間、ずっと「あ」しか言っていませんでした。しかも叫んでいました。口にクッションを当てていても相当うるさかったと思います、ご近所さん、聞こえてたら本当にごめんなさい……。

 どっかの部族の長老の100年生きてる婆さんが、生まれた時から聞かされてきた伝説の生き物を初めて見たらこんな感じになるんだろうなと思いました。

 

 このあと1時間以上も震えが止まらず、他の選手の演技もちゃんと見ようと思ったのに、心が身体からずいぶん遠くにいってしまって、全然頭に入ってきませんでした。体にうまく力が入らず、体の末端が冷たくなっていて、床に倒れながら競技を見ていました(しかしボーヤンくんは本当に良くなったな。特に今回は超良かったよ。あと、宇野くんは本当にあとちょっとで羽生さんに勝てるぞ、がんばれ。今シーズンは積み上げてきたものがちゃんと出てる感じがしたよ、頑張ったね)。

 少し落ち着いた今でも体に力が入りませんし、心臓がずっとキュッと固まったままです。頭は真っ白です。

 一体何が起きたのでしょうか。私としては、なんて言ったらいいの……とりあえず見たことのない「何か」を見てしまって、畏怖を覚えて気が触れてしまった、という感じがしました。神話生物と遭遇してSAN値が急激に下がってしまったのではないか、と。

 

 いつも何かを見て心が動くたびに、頭の中がワーッてなって、多弁になるのですが、今回の場合は思考ができなくなりました。もう、叫ぶだけ。しかも内容は「あ」。

 わけがわからない、甚だしく素晴らしくて恐ろしい、名状しがたい、畏怖すべきものを見ると私は「あーーーーーー!」って叫ぶだけの人になるようです。

 いい体験をしました。羽生選手、優勝おめでとうございます。あなたの演技を見て、私は気が触れてしまいました。