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萌えがわかりませーん

先日やったキャスのコメントを確認していたら、 「むしろ急ハンドル切って萌えっ萌えのラノベ風SSとか書いて欲しい」 という声が上がっていた。 だから、萌えについて考えていた。でも、全然わからない。わからなさすぎて書けない。 でも書いたら結果的に萌えるかもしれないから、ちょっと頑張ってみよう。

「アイフォンのこと、なんて呼んでる?

「え? アイフォンはアイフォンじゃん」

「アイフォーンじゃなくて?」

「アイフォン。……え、なに?」 「あのね、アイフォンのCMだと『アイフォーン』って言ってるでしょ。でも、リアルに『アイフォーン』って言ってる人、いなくない?」

「いないかもなあ」

「よかった! やっぱりアイフォンだよね! よかった!」

「うん」

「じゃあね!また明日」

「じゃあ」

以上の会話を使って『萌え』を作れ。登場人物の名前はそれぞれトランプヒラリーとする。

帰りのホームルームが終わり、クラスメイトたちはそれぞれ部活に行って、教室は俺以外誰もいない。 帰宅部の俺は、早々に教科書をリュックに詰めてから、自分の席に座ってTwitterをチェックしていた。

「ねえ、トランプ、ちょっといい?」

斜め後ろから突然声をかけられて、やっぱり来たか、と首だけで振り返る。

彼女の名は、ヒラリー。二つ隣のクラスの学級委員長だ。

ヒラリーは、いつも自信に満ちたオーラを放っている。スカートから伸びた脚は日焼けし、程よく筋肉がついてスラッとしている。腰まである自慢の金髪は、緩やかなウエーブを描いている。夏服のブラウスの胸元は大きく膨らみすぎて、隙間ができているから目のやり場に困る。彼女は今日も桃色の唇をキュッと上げ、宝石のような青い目をカッと見開いてこちらを見ていた。

ヒラリーはなぜか、クリケット部の練習に行く前に必ず僕のところに来て、毎日くだらない質問をしては去っていくのだった。

「ヒラリー、今日は何」

「ちょっと聞きたいことがあったの」

知ってた。……と言いたいところだけど、以前、このタイミングでそう言ったら非常に面倒臭いことになったので、言わないようにグッとこらえる。

俺は、どうしたの、とヒラリーに話の続きを促す。

「トランプは、アイフォンのこと、なんて呼んでる?」

「え? アイフォンはアイフォンだろ」

「アイフォーンじゃなくて?」

ヒラリーが躙り寄る。顔が近い、近い、近い。シャンプーのいい匂いが漂ってくる。

「うん、アイフォン。……え、なに?」

またよくわからない質問がきた。

昨日は確か、海と空の画像を交互に提示しながら「これは何色?」「じゃあ、こっちは?」と何度も訊いてきた。その前は確か、「ベンゼン環って楽器にできそうな形だと思わない?」「どんな音がすると思う?」だったか。

そして、今日は『アイフォン』。毎日思うことだが、そんなこと、俺に聞いてどうするんだ。

アイフォンの事なら、隣のクラスのジョブスに聞いた方が早いんじゃないか、と提案したが、ヒラリーには即却下された。あいつに聞いても意味がない、らしい。

「あのね、アイフォンのCMだと『アイフォーン』って言ってるでしょ。でも、リアルに『アイフォーン』って言ってる人、いなくない?」

ヒラリーは何度も『フォーン』を強調する。それがおかしくて笑いそうになったが、笑ったらまた面倒臭いことになるので、ここでもグッとこらえる。

さて、アイフォンについては、ヒラリーの言う通りだ。確かにCMだと『アイフォーン』って言ってるけど、身近にそう言う人は、多分いない。

いないかもなあ、と答えると、ヒラリーの表情がぱぁっと明るくなった。花が咲いたみたいだ。

そして唐突に俺の手を握ってきた。両手で、がっしりと。

「よかった! やっぱりアイフォンだよね! よかった!」

ヒラリーは俺の手を握ったまま、腕をブンブン振り回す。何がそんなに嬉しいのかわからないけど、その青い目は今、一層キラキラして、俺を映していた。

変なやつだけど、こういうところは可愛いよな。……俺は今、何を考えた!?

いろいろなことに混乱しながら「うん」と答えてやると、ヒラリーは満足したように笑った。彼女は教室の隅に立てかけてあったクリケットのラケットケースを背負って、「じゃあね!また明日」と元気よく叫んで、走り出した。

「じゃあ」

と俺が答えるのを、彼女はいつも待たない。

廊下をバタバタと走っていくヒラリーの後ろ姿を見ると、これまたいつも通りスカートの裾がウエスト部分に挟まっていて、今日のパンツは薄い水色であることがわかった。昨日は白に黒のドット柄、その前は確かピンクと白のストライプだった。

……なんでこんなこと覚えてるんだ、俺!

急に恥ずかしくなった俺は、開きっぱなしだったTwitterに「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」とだけ書いて、椅子から立ち上がり、教科書で重くなったリュックを背負った。なんとなく、ヒラリーの残り香がした。

学校を出るとき、グラウンドの横を通りがかった。練習着に着替えたヒラリーがいて、目が合ったから手を振ってみたけれど、無視された。本当に、よくわからないやつ。

あの、強制終了です。見苦しく言い訳から入りますね。ラノベ、最近読んでないんですよ。最近っていうか、もう数年単位で読んでないんですよ。だから、ラノベ的な萌えがマジでわからないんですよ。

さすがにツンデレの時代って終わりました?まだツンデレ流行ってます?主人公って、まだ巻き込まれ系やれやれ男子です?もう違うよねさすがに。まだ「何もしてないのにハーレムできちゃった」系が強いですか?

もしや、今の主流って、男女ものよりも百合ものだったりします? どうなってます?「萌え」って。

↑の文に私が頑張って入れようとした萌え要素って、

巨乳・パンツ・日焼け・運動部・金髪碧眼・俺だけに謎の執着を見せる・不思議・ドジ

の、つもりだったんですけど、なんか全然ダメっぽくないですか?この萌え観めっちゃ古くないですか?最近の「萌え」がわからんことに気づいて驚きまくってる。私一応オタクなんだけど、まだまだ甘かったようだな。

でも私はこのヒラリーみたいな女が萌えるし、こういうのに振り回される面倒見のいい女の子がいたらもっと萌える。しかも幼馴染なの。 ヒラリーがトイレから戻ってくるたびにスカートの裾をチェックして直してくれるし、妙な習慣にもなんだかんだ付き合ってくれるやれやれ系女子。トランプくんに執着しているのを見てると、なんだかモヤモヤするんだけど、それが恋だって気づいてない的な女子。「今日、トランプくんと手繋いじゃったー!!!!どうしよー!!!」みたいなヒラリーからのラインがきて、その通知を見ただけで心が凍りつく的な女子。そういうのを突っ込んでいきたい。

あ、百合にしときゃよかったんだ〜。はんせーい☆ミ

おやすみなさい。