勢いがある日

「気をつけろよ、お前、上がると下がるんだから」と言われたのは数年前のことだった。その時はまだ通院の習慣がなかった。

午前の診察中、いつもよりもベラベラと話している自分に気づいた。決して気分がめちゃくちゃに良いとか、なんでもできそうな気がするとかそういうことはなかった。口から何でもかんでも勢いよく出てくるのだ。途中でそのことに気づき、 「ああ私、今日"勢い"があります。勢いがあります、ね」 と話したような気がする。

午後は、帰省してきた友人とランチ兼カラオケに行った。声が今年一番よく出た。途中で、『無敵状態になったマリオにぶつかって死んでく奴』の物真似をしていた。全身運動だ。 それを見た友人がたいそう笑ってくれたので、私も面白くなって、タイミングを見て何度も繰り出した。「パスタが鼻から出るからやめて」と言われたので、さすがに友人がパスタを食べ終わるまでは自粛した。 また、友人が何かを聞き間違えて発した単語が非常に面白かったので、それに関するストーリーを最初から最後まで、1分くらい話して聞かせた。もちろん全部その場で作った話だ。友人は歌えないくらい笑っていたので、私は満足した。 その後、混雑したカラオケから追い出されたので(田舎のカラオケ屋は、帰省してきたけれどやることがない若者たちで溢れかえっている)、ファミレスまで歩いて移動した。ファミレスでもたわいもない話をして笑わせていた、気がする。笑ってもらえると、己のネタ的な要素がどんどんエスカレートする癖がある。それでも友人が今日一番ツボに入っていたのは私のクソ真面目そうな一言(「そう」だか「それ」だか)だったようなので、人生はよくわからない。

帰宅する頃には、朝の勢いは緩やかになっていた。ちょうどよく発散したのか、それともそういう波であるだけのことなのか、わからない。

寝る前の今は、このまま上がりきることもなく、ギュンッと落ちるのではないかと警戒している。警戒するなりの対策は取ったので、あとは寝るだけなのだが……これ書いてる時点でなんとなく「勢いあるなあ」と感じてしまうのだった。 前にも、こういう中途半端な「勢い」が二日間くらい出たり入ったりして、三日目ぐらいについに落ち着かなくなる現象があった。あの時、あの後、どうなったんだっけ……。少なくとも生きてることだけは確か。上がる前から落ちた時のこと考えてるのが非常に面倒だ。「なるようにしかならない」という観念を壁に書いて貼っておかねば。

まだ勢いがあるから全然関係ないこと書きます。

今朝、「私にとっての幸せは、嫌なことを『嫌だ』と言えること」とtweetした覚えがあります。 手前味噌ですが、これは本当のことだなあとしみじみ思います。嫌なことを嫌だって言えないだけで主体性が失われる感じがします。昔、お前がそんなに主体性のないやつだと思わなかった、と父に言われたことがあるのですが、本当にその通りで、私は主体性があるように振る舞う主体性ゼロ人間だったのです。 今は、主体性6ぐらいにはなったかな(10点満点で)。一人で暮らした時期が結構長かった影響か、「私の時間!!」「私の体!!!」「私の気持ち!!!」という思いが、内側からふつふつと湧いてきて、みぞおちの上あたりをガンガン叩くようになりました。自分の体や意志や時間が、あまりにも自分の意図していない(他人の意図している)ところに行き過ぎると、ただひたすら死を想うようになりました。主体性を確認すると、身体中の細胞が酸素を吸っているような、文字通りの「生き生き」とした感覚を取り戻せるのでした。

ようやく自分という一つの人格に向き合い始めたということになるのでしょうか。 ここにあるのは一つの人生であり命であり、それは絶対に私だけのものなのだと思うようになりました。 「人と人は絶対に一つになれない」という諦念にも似た大前提は、比較的容易に確信できました。しかし、私は私だけのもの、他人のものではないと気づき、信じるには相当な時間を要しました。

だから……で繋げるのも乱暴ですが、嫌なものを嫌だと言えることは私にとって幸福なのです。この基準において、今非常に幸福です。各方面に感謝してもしきれません。 拒絶が幸福なんて、ちょっと寂しい人生になるかなあ。「いやだ」の後に「こうしたらいい」が続けばいいんでしょうね。そうして着地点がわかれば一番いいのかな。

まだまだ勢いがあるなあ。なんだ、日記だぞこれ、こんなに書くかよ。

年の瀬ですよ!こんなに生きると思ってなかったなー!結構マジで思ってませんでした。 小学生の頃にはすでに、なんとなく社会に出ない気がしておりまして、社会に出るまでのビジョンが1mmもありませんでした。もちろん「その後、どうするんだろう」なんて一度も考えたことがありません。考えても無駄なことがわかっていたのでしょうか。

今は余生、「その後」の人生です。気が楽なもんです。穏やかに、でも好きなことには貪欲に、興味の赴くままに、好奇心に惹かれるままに、終わるまでやっていくしかない!と!思います!

勢いが止まらないので強制終了です。