朝が健康になりきる前の都会は不思議だ。

冷えた手をもう片方の手で温めながら歩くと、向こうからやってきた外国人に握手を求められる。

年季の入った人がすれ違いざまに「フンッ」と笑う。

大きな黒い影が歩道をスーッと走る。鼠だった。

たくさんの人の中に知り合いを見つけた気がする。

大きなトートバッグから、カラフルな団扇の持ち手がのぞいている女性がちらほら見える。

スーツを着ている人はこれから帰るのか、それともどこかへ行くのか区別がつかない。

信号待ちの群衆から焦りの気配を感じる。足取りの軽い人はいない。

早く朝が健康になりますように。