不自然

今日は、一日中やたらふわふわしていて、フィギュアスケート選手のリプニツカヤさんの足の調子が気になる以外には特に辛いこともない、たいそう穏やかな一日でした。 邪念が入らないように、頭が勝手に動いてくれたようでした。 やっていた作業も一つ終わりました。そのあと、作業が一つ増えましたが、それは結構先のことになりそうですから、あんまり焦っていません。

美しくなりたいなあ。と、だいぶ前に書きましたが、最近健康だけでなく美容を目的としてサプリメントの摂取を始めました。あと、トマトジュースを飲むことも始めました。まだ始めて間も無いものですから、効果が出てくるまで、根気で続けようと決意いたしました。 この間、一人ハロウィンと称して、久々に大げさな化粧をした日に、「ああ、自分を飾ると気分が上がるというのは本当なのだなあ」としみじみ思いました。見た目が人生に与える影響は計り知れないもので、もし「見た目が人生に与える影響」のありとあらゆるデータが一覧で出てきてしまったら、私はおそらくこの世に絶望して、まっすぐに死んでしまうでしょう。すでに、顔の良さともらえるお金の関係のデータがどこかしらに、あったと思いますけれど……忘れましょう。顔は変えられるのですから。

サプリメントトマトジュースとくれば、勘のいい方は私が何に感化されているかわかるかもしれません。私は数日前、Twitterで美の向上に励む皆様のアカウント、いわゆる「美容垢」と呼ばれる界隈のツイートを漁って読んでいたのです。画面いっぱいに並んだサプリメントのボトルを見て、毎朝トマトジュースを飲む人たちを見て、美容整形後のダウンタイムを過ごす人たちを見て、思わず「ああ」と声が漏れました。なんの「ああ」だったのか、私自身にもわかりません。

不自然な努力を重ねて不自然な美を手に入れる行為が大好きです。よくカスタマイズされた人間を見るのが好きです。 よくテレビなんかで「全身整形サイボーグ」などと言われて紹介される人たちがいますが、私はそういう人たちを愛しています。 一度、都内某所で、明らかに「いじっている」ように見える女性を見かけました。美しく飾られた指でスマホを触って、煙草を吸っていました。近くを通ると香水の甘い匂いがしました。その女性は、しばらくすると、50代ぐらいの少しガラの悪そうな、そしてお金を持っていそうな男性と合流し、どこかへ去っていきました。 ほんの十数分の出来事でしたが、あの女性のことが今でも頭から離れません。 その女性の顔は確かに若干不自然でしたが、美しいと思いました。そもそも美しい顔というのは一種の奇形ですから、たとえ美しさと不自然さが同居していたとしても、それで当然だと思うのです。

私も、不自然に美しくなりたいです。鏡を見ても、自然すぎて醜いんですもの。自分の見た目ぐらい自分で決めたくなりました。そもそも私の存在が不自然だとか、そういうのはもう飽きました。 ああ、美しくなりたかったら、本当はこの時間、眠っていないといけないのでしょう。お肌に悪いはずですもの。それでも、私は思うのです、きっと日本ではこの時間帯に働いている人、例えば所謂夜のお店に勤めている人の方が、お昼に働いている人たちよりも、美人の割合が高いのではないかしら。もしそうなら、夜に働いている人は「朝に起きて夜は寝る」という自然な生活を捨てて、「夜は寝なければ肌に悪い」という定説をも不自然の力で跳ね返していることになりましょう。考えるだけで、最高に不自然なことだし、それだけで美しいと思うし、夢があるわ。

ああ、不自然さには夢があるのね。不自然さには美しさがあるのね。 私のこの不自然な、いわゆる「てよだわ」言葉も、現代の日本、それも田舎に生まれ育った人間にしては相当不自然だと思うのですけれど、これは本の読みすぎによって身についたもので、自分でもこの不自然さがクセになってしまったから、やめることができません。

一生をかけて不自然になりましょう。 今夜はお薬を飲んで、不自然ゆえに美しく、夢のある眠気で、おやすみなさい。