本当に日記だ

本当に日記なんですけど。

今日もまた見知らぬ高齢者に声をかけられた。本当に。しかも先日、別の人に声をかけられた時と全く同じ場所、全く同じシチュエーション、全く同じテンションで全く似た用件であった。本当だ。だから私も、全く同じようなテンションで、全く同じような親切さで、全く同じようなことを伝えて、全く同じように勢いに任せて逃げた。 私は特定の場所で特定の行為をすると高齢者に声をかけられてしまう運命にあるのだろうか。

そういえば、いろんなところで人に声をかけられる人生だった。 新宿のど真ん中で、現地民でないのに道を聞かれる。大吹雪の深夜、冬を舐めてる装備のサラリーマン風の男性に「XX駅はどこですか」と聞かれる。新幹線を待ちながら駅のホームで突っ立っていたら、知らないおじいさんに声をかけられ、そのおじいさんは葬式帰りであることが判明する。また別の日、「次に来る新幹線は全車指定席なのか?自由席はないのか?」と私に突然質問してきた留学生とおぼしき外国人のお嬢さん。これまた新幹線で、隣に座ったおじさまに何かしら聞かれ、軽い雑談をしたらホットコーヒーを奢っていただいたりもした。カフェで煙草を吸いながらスマホをいじっていたら、身なりの良いおじさまに突然偉人の墓の場所を聞かれた。バイパス沿いの歩道で、スーパーへの道を聞いてきたおばあさまもいた。

私はインフォメーションセンターじゃないんだぞ。 ……とは思いつつも、私自身もなんとなく善さそうな行いをしてしまう。徳を積んでしまう。

前を歩いているお嬢さんのスカートの裾が、ストッキングの中に入り込んでいたので声をかけた事案2回(後になって、そういう嗜好の人だったらどうしよう、もしそうだとしたら大変申し訳ないことをした、と思った)。電車やバスではめちゃくちゃ席を譲る(めちゃくちゃ断られたこと2回)。ライブ終演後、喫煙ルームで靴が壊れたと嘆くお姉さんに、私がなんとなく持ち歩いていたアロンアルファを貸す。頭が痛い人には私の常備薬を分け与える。明らかに困った事態が眼の前で起きたらどうしても体が勝手に助太刀いたしてしまう。

そういうことをしているから、どこかに徳パワーが溜まって、声をかけられる事案が発生してしまうんだろなって思った。じゃなきゃ、よっぽど舐められやすい見た目をしているんだな(こっちの方が有力)。

私はかなり嫌なやつだから、徳なんていくら積んだってどうせ地獄に行く。そもそもこんな生活してる時点で……と思ったけど、今の生活は別に嫌いじゃないというかむしろ理想なのだった。だって働いてないし。あれ?私の徳、高すぎ……?でも、このまま死ぬまでこのままで居続けることはできないし、破滅が見えてるので、割と早くなんとかしないといけないんだ。 話が逸れた。あの世なんてあったら困るから信じてないので地獄も極楽も考える必要はない。だから誰かに道を教えたりスカートの裾が大変なことになっていることをそっと指摘するなどして、徳なんぞ積んでる場合じゃない。目に見えない徳よりも現世の欲が欲しいって言ってんの。欲が。

欲の話で思い出した、今日「お金がもし無尽蔵にあったらどうする」みたいな質問を見た。だからそのことをお風呂で考えていたのだけれど、まず衣食住を私の趣味にぴったり合致する極上なもので揃えて、親には私を養うのにかかったであろう金額をバンッと返し、野良猫を広い庭に招いて眺め、家の周りを24時間ALSOKに警備してもらって、趣味にジャンジャン金をつぎ込んで……それでもまだ余ってしまう。どうしよう。あとやりたいことあったかな、と思ったら、なんか、「死ぬまでいろんな友達といろんな遊びをしたい」みたいな、すっごいピュアな、ピュアピュア〜〜な欲が出てきてお前は小学生かよって思った。でも無尽蔵にお金があったらそうなるんだと思う。金の心配をせずに遊ぶ行為は快楽だ。私はそれを知っていたらしい。あとは、私が「味方でいたい」と思う人たちが金で困っていたら、すぐさま金をポンと出そうと思った。それ以外の人たちのことは知らない。もし例外を作ってしまったら、私の性格上、結局お金に困っている人全員にお金をポンと出すことになる。私には無尽蔵に金があるのだから、お金に困っている人たちへの対応に追われて人生が終わってしまいそうだ。せっかく無尽蔵の金があるのにそれは困る。崇められても讃えられても、びた一文出さないことを心に決めた。

そもそも私に無尽蔵の金はない。寝言は寝て言いなさい。 ちなみにたった今、MacbookProの壊れかけの充電ケーブルがついに火花を出して沈黙した。本当だ。充電が本当にできなくなってしまった。酷使してごめんね。本体が壊れていないか心配になってきた。焦っている。こういうときは見知らぬ高齢者が声をかけてこないみたいだからとりあえずそこには安心した。充電ケーブルの替えがめっちゃ欲しい。欲出た。